日露戦争(22)-正露丸(2)

日本の軍隊では、兵士の死亡原因が、

日清戦争で、戦死より、
不衛生な水源による伝染病による
病死の方が多いという事に悩まされた日本軍は、
感染症の対策に取り組んでいたそうです。

陸軍軍医学校の教官『戸塚機知』三等軍医正は、
1903年にクレオソートが、
チフス菌に対する著明な抑制効果を持つことを発見しました。

ドイツ医学に傾倒していた
『森林太郎(森鷗外』)ら陸軍の軍医たちは、
チフス以上に多くの将兵を失う原因となった脚気も、
未知の微生物による感染症と考えていたそうです。

そのため、
強力な殺菌力を持つクレオソートは、
脚気に対しても有効と考え、

1904年の日本陸軍の記録によると、
正式名称「クレオソート丸」を、
正式名称「征露丸」と変更し、

日露戦争に行く兵士たちに配付し、
連日服用を指示したそうです。

しかし、
飲んだことがあるならわかると思いますが、
特異な臭気を放つので、
兵士たちは、内服を嫌がったそうです。

そのため、
軍首脳部は、「陛下のご希望により」と、
明治天皇の名を借りて内服を指示したそうです。

その結果、内服するようになり、
下痢や腹痛により戦線を離脱する兵士が、
激減したそうです。

征露丸の効果は、
帰還した軍人たちの体験談として広がり、

また、
戦勝ムードの中で命名の妙も手伝い、
「ロシアを倒した万能薬」は、
多くのメーカーから競い合うように製造販売され、
日本独自の国民薬として普及していったそうです。

ちなみに、
陸軍の軍医たちが、
期待した脚気に対する効果は、
認められなかったそうです。

日露戦争中、
陸軍は、戦意高揚を重視して、
ビタミンに欠ける白米中心にこだわり、
3人に1人に相当する25万人が脚気に倒れ、
2万5千人以上が死亡したそうです。

一方で海軍は、
早くから脚気が栄養障害に起因する疾患であると考え、
パンや麦飯を採用し、脚気による戦病死者を、
1人も出していないそうです。(続く)
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