日露戦争(21)-正露丸(1)

日露戦争で、流行した薬と言えば、
征露丸(正露丸)が思い出されます。

正露丸の主成分の木クレオソートは、

1830年にドイツ人化学者『カール・ライヘンバッハ』が、
ヨーロッパブナの木から、木タールをつくり、
それを精製して、作り出しました。

その後、木クレオソートは、
殺菌作用や防腐効果があると考えられ、

化膿症の治療や外用消毒薬、
食肉の防腐剤、鎮咳剤、肺炎や肺結核、
その後、胃腸疾患の治療に使われるようになり、

アメリカの南北戦争では、
その消化器官に対する効果が高く評価されました。

木クレオソートは、日本には、
1839年長崎の和蘭商館長『ニーマン』により持ち込まれ、
1856年刊の薬物書には木クレオソートを、
「結麗阿曹多(ケレヲソート)」と記載されています。

大阪の『中島佐一』が、
この木クレオソートを、
カンゾウ末などの生薬末で練って丸薬にし、
正式名称は、「クレオソート丸」ですが、

日露戦争開戦前という時代背景から、
ロシア(露国)を征伐することと、
将兵の士気高揚の意味を併せて、

「クレオソート丸」を「忠勇征露丸」と名付けて、
日露戦争開戦2年前の1902年に、
販売を開始したそうです。

木クレオソートには、
当初、消化器官に対して殺菌することで、
効果を発揮していると考えられていましたが、

その後の研究で、
腸管への腸液の分泌抑制効果があり、
また、大腸の過剰な運動や機能を正常に戻し、
腹痛を抑え、
腸管での水分吸収を促進するという事が分かったそうです。(続く)
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