日露戦争(16)-不思議な話(2)

1959年の映画
『海軍兵学校物語 あゝ江田島』に、
うわさ話として出てきた心霊話があります。

その、うわさ話の元になった話は、
海軍士官の養成学校の江田島海軍兵学校
の生徒だったAさんの体験談です。

ある夜、Aさんは、
上級生に生意気だと難癖をつけられて、
御殿山を、10周、駆け足で回ってこいと言われました。

当時、良くない事でしたが、
上級生から理不尽な懲罰を受け、
上からの命令は、絶対服従が、
海軍兵学校の伝統でした。

Aさんは、
走るのは辛かったのですが、海の匂いが心地よく、
鼻歌を歌いながら、暗い夜道を駆けて行きました。

Aさんが、3周くらい回った時、
急に吐く息が白くなり、物凄く寒気がして、
立ち止まったそうです。

すると、
どこからか、人の話し声が聞こえて来たそうです。

しかし、辺りを見回しても誰もいなかったので、
空耳と思い、気にせず、走り続けたそうです。

すると、聞いたことのない言葉が、
はっきりと聞こえました。

走るのをやめ、声のする方を見ると、
数年前から学校の港にある小型艦艇の窓から、
ぼーっと光が漏れてきていました。

小型艦艇は、日露戦争後の戦利品として押収したもので、
ロシアでは、オリョール号と呼ばれていました。

その時、Aさんは、
小型艦艇の不思議なうわさ話を思い出しました。

数年前、
厳しい訓練に耐えかねて、脱走した生徒が、
小型艦艇に隠れて、出るに出られず、
夜中水飲み場で、水は飲んでいたのですが、
最後には、骨と皮になり、餓死したという事件があり、
その後、夜中に、その生徒の幽霊が、
見られるようになったというものでした。

幽霊を信じていなかったAさんでしたが、
日頃の疲れとストレスから、
幻聴幻覚が起こっていると考え、

明日も、逃げ出したいくらい厳しくて辛い訓練があるので、
早く終わらして、寝たいと思い、再び、走り始めました。

すると、口笛、話し声、笑い声、
コップなどの食器の触れ合う音が、
かすかに聞こえて来ました。

Aさんは、気になり、
小型艦艇に近づいていきました。

すると、小型艦艇から、
音楽が聞こえて来ました。

Aさんは、その曲を聞いて、
故郷の学校の音楽の先生が、
お酒が入ると、ロシア民謡を聞きながら、
踊っていたのを思い出しました。

Aさんは、ロシア民謡に似た曲だったので、

上官たちが、秘密裏にパーティを開催しているので、
美味しいものがあるのでは?と考え、
自分は苦しんでいるのに、上官は良いもの食べてと思い、
腹が立ち始めました。

そのため、
パーティに紛れ込んで、おこぼれを貰い、
美味しいものを食べようと思い、
もっと小型艦艇に近づいて行きました。

すると、曲が、急に止まりました。

Aさんが、小型艦艇を見ていると、
薄っすらとした光が差し込む甲板の上に、
1人の水兵が立っていました。

その見張りをしている水兵の目を盗んで、
パーティに紛れ込もうと思い、

その水兵を、よく見ると、
日本人ではなく、外国人で、
額から血を流していました。

外国人の幽霊だと思い、
ビックリして、怖くなり、Aさんは、

われを忘れて走り去り、
早く戻りたいので、
10周を走りきったそうです。

そして、寝床に入った時、

Aさんは、
「もしかして、先ほどの水兵は、
本物のけが人ではなかったのか?
 
手当てもしないで、逃げたとなると、
日本人男性として恥ずかしいと思い、
急いで、小型艦艇に戻っていきました。

でも、小型艦艇からは、
明かりも、音楽も水兵の姿も、
なかったそうです。

ちなみに、
ロシアの最新・最大の主力艦だったオリョール号は、
日露戦争後、2年かけて修繕工事と改装工事により、
戦艦石見として日本海軍へ編入され、
第一次世界大戦や沿海州警備で活躍していましたが、
老朽化したので、爆撃実験の標的艦として、
1924年沈没したそうです。

光る不思議なものが見えたという話で、
マタギから聞いた話を思い出しますが、
長くなるので、別の機会に…。

ついでなので、続いて、
日露戦争以外の船の不思議な話をします。(続く)
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