寄生虫の野望(3)-コマユバチ(2)

コマユバチのカリヤコマユバチは、
トウモロコシの害虫アワヨトウの幼虫に、産卵管を刺し、
数秒で、約40-100個の卵を産み付けるそうです。

そして、
カリヤコマユバチの卵巣から、
アワヨトウの幼虫が持つタンパク質と
構造がよく似たタンパク質が分泌され、
卵を包むそうです。

そのため、異物と認識しないので、
自分の細胞として認識するので、
免疫系が働かないと推測されています。

その上、
約1億年前にコマユバチの染色体に、
ポリドナウイルス科ブラコウイルスの
ゲノムが組み込まれたそうです。

ブラコウイルスは、
カリヤコマユバチの卵巣の細胞のみで増殖し、

蜂の遺伝子を含む
ウイルス粒子が産生されるそうです。

このウイルス粒子は、
卵と一緒にアワヨトウの幼虫に注入され感染をおこしますが、
アワヨトウの幼虫の体内では、まったく増殖せず、
免疫系の働きを阻止したり、ホルモン活性を下げて、
蛹になるのを阻止したりして、
カリヤコマユバチの発育を、助けるそうです。

約10日後に、
本来、夜行性のアワヨトウの幼虫は、

カリヤコマユバチの幼虫に操られ、
昼間に葉の上に移動するそうです。

そして、卵が孵化し、
約100匹のコマユバチの幼虫が、
皮膚を破って出てくるそうです。

そして、
カリヤコマユバチの幼虫は、
集団で繭を作ります。

しかし、
繭の集団の中にアワヨトウの死骸があると、
これが腐って微生物が繁殖するので、
アワヨトウの幼虫に、
最後の力を振り絞らせて、
別の所に移動させるそうです。

何故そうなるかは、まだ不明だそうですが、

ブードゥー・ワスプと同じように、
脱出しなかったコマユバチの幼虫が、
操っているという可能性があります。

ちなみに、
コマユバチが寄生する寄主の多くは、
農作物の害虫なので、

トウモロコシの害虫のアワヨトウや
トマトの害虫であるマメハモグリバエに対して、
生物農薬として、コマユバチが利用されています。

ちなみに、
コマユバチの遺伝子が、
オオカバマダラや蚕に、
組み込まれる事があるそうです。

それは、コマユバチが、
間違った宿主のオオカバマダラや蚕に、
卵を産み付けると、

コマユバチの幼虫は、
成長が出来ず、死亡するそうです。

そして、
オオカバマダラや蚕の幼虫は、
成虫へと変態します。

この時、コマユバチの卵と一緒に、
注入されたブラコウイルスは、
オオカバマダラや蚕の幼虫の、
あらゆる細胞内に侵入しているので、
ウイルスのゲノムに組み込まれた成虫になるそうです。

そして、生殖細胞に組み込まれると、
子孫に受け継がれるそうです。

寄生虫にコントロールされるのは、
昆虫だけではありません。(続く)
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