寄生虫の野望(2)-コマユバチ(1)
- 2017/04/05
- 05:05
世界で5千種以上、日本で3百種以上いて、
全ての種が、ほかの昆虫に寄生する寄生蜂だそうです。
コマユバチのブードゥー・ワスプは、
シャクガの幼虫に、産卵管を刺し、
約80個の卵を産み付けるそうです。

体内で孵化したブードゥー・ワスプの幼虫は、
生きているシャクガの幼虫を少しづつ食べて、
成長して、
ブードゥー・ワスプの幼虫が、
シャクガの幼虫の体内から出て、
蛹になるそうです。
しかし、シャクガの幼虫は、
ある目的があり、生かされているそうです。
ブードゥー・ワスプの蛹は、
無防備状態ですが、
敵が来ると、
シャクガの幼虫の体は、ボロボロで、
ほとんど死んでいる状態ですが、
機敏に反応し激しく追い払うそうです。

瀕死状態で、蛹を守る
その状態のシャクガの幼虫を、解剖してみると、
その中には、体外に脱出しなかった何匹かの
ブードゥー・ワスプの幼虫が、
見つかるそうです。
まだ詳しい事は不明ですが、
残ったブードゥー・ワスプの幼虫が、
シャクガの幼虫体内にとどまり、
行動を支配しているのではと言われています。
ちなみに、何故、
シャクガの幼虫にとって、
異物であるブードゥー・ワスプの卵や幼虫を、
免疫で排除できないのか?
それに関しては、
別のコマユバチのカリヤコマユバチで、
研究成果が報告されています。
ちなみに、
ブードゥー・ワスプの名前の由来は、
ゾンビで有名なブードゥー教ですが、
20世紀初頭にハイチを占領したアメリカが、
ブードゥー教のイメージダウンを行うため、
ハリウッド映画などでゾンビを題材にしたので、
ブードゥー教のゾンビが有名になったそうです。
実際の所、
ブードゥー教の「ゾンビ化」とは、
迷惑者や社会のルールを破った者に、
社会的制裁を加えるために、
社会での保護と権利を奪い、
社会的な死者にするという事だそうです。(続く)
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