猫免疫不全と光る動物(1)

『猫免疫不全』は、『俗名:猫エイズ』と言われ、
発症するとヒトのエイズと同様の
免疫不全症状を発症する怖い病気です。

でも、アメリカのMayo ClinicのEric M. Poeschla博士が、


ヒトのエイズ治療の研究の一環として、
遺伝子操作により、『猫免疫不全ウイルス
(FIV 俗名:猫エイズ)』に、
耐性のある猫を生み出しましたと、
科学誌「Nature Methods」に発表しました。

そして、なんとその猫は緑色に光るそうです。





その方法は、『猫免疫不全ウイルス』を抑える働きを持つ
『マカクザル』の『TRIMCyp遺伝子』を猫の卵母細胞に注入し、
その後、受精させたそうです。

『マカクザル』は『猫免疫不全ウイルス』感染を起こしませんが、
感染を防いでいるのは『TRIMCyp遺伝子』だそうです。

『TRIMCyp遺伝子』はウィルスの外殻を認識し、
ウイルスを分解するタンパク質を生み出すそうです。

研究では『体細胞核移植』を行い、
『TRIMCyp遺伝子』を組み込んだ猫を生み出しました。

『体細胞核移植』とは、
クローン羊:ドリーの誕生の時に用いられた技術で、

遺伝子操作した卵子を雌の身体に戻し、
その後、受精させて、
遺伝子操作した子孫をつくるという方法です。

そして、遺伝子が組み込まれた部分を容易に判別できるよう、
『オワンクラゲ』の緑色に光る遺伝子も組み込んだそうです。

その為、遺伝子操作された細胞は緑色を発色するそうです。





11の卵子を使って、5匹のネコが生まれたそうです。

誕生した緑色に光る『TRIMCyp遺伝子』を持つ猫は、
『猫免疫不全ウイルス』への耐性を示したそうです。

また、遺伝子操作した猫同士を交配させたところ、
生まれた8匹の子猫にも操作された遺伝子が引き継がれていたそうです。



遺伝子操作で、よく行われるのは『マイクロインジェクション法』。

その方法は、受精卵の核に入れたい遺伝子を入れる方法です。

しかし、受精卵の顕微操作でDNAを入れる核が、
見にくいなど色々と問題があるそうです。

そのため今回は、『マイクロインジェクション法』ではなく、
遺伝子を運ぶウイルス『レンチウイルス』を使ったそうです。

『レンチウイルス』は、感染して宿主の核に、
自分のDNAを取り込ませるそうです。

その性質を利用して、
遺伝子を細胞に導入したそうです。

今回は、マカクザル由来の『TRIMCyp遺伝子』を使用したのですが、
この遺伝子はヒトのエイズにも防御効果があるそうです。

遺伝子導入の場合は入ったかどうかをひと目で分かるように、
蛍光タンパク質を発現する遺伝子もいっしょに入れる事があります。

その場合よく使われるのが、オワンクラゲの『GFP遺伝子』です。

『GFP遺伝子』、紫外線を当てると発光し、
緑色蛍光タンパク質とも呼ばれていて、

現在、自然由来の手軽な蛍光標識として、
実験分野で広く用いられているそうです。

すでに光る豚やマウス、鶏、犬などが生まれています。(続く)









犬の肉球も光ります。
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