長い眠り(1)

大学院の時、伝染病研究室に入り
ウイルスの研究をしていましたが、

指導してもらっていた先生が、
微生物は生命の基本だと言いながら、
途中で伝染病研究室から
微生物研究室に人事異動になり、

自分も先生と共に
微生物研究室に異動になったので、
微生物のニュースには関心があります。


12万年もの間氷河の中に閉じ込められていた
極小微生物(Herminiimonas glaciei)と


極小微生物(Chryseobacterium greenlandensis)が


蘇生したという研究成果が、
「International Journal of Systematic
and Evolutionary Microbiology」誌で発表されました。

ペンシルバニア州立大学のDr Jennifer Loveland-Curtze氏が、


グリーンランドの氷河の下、深さ約3キロの位置で
12万年前の氷の中から
古代の微生物を発見したそうです。

この古代の微生物を無酸素状態で2℃で7カ月間、
その後、5カ月間は5℃の培養液で培養した結果、
増殖が始まったそうです。

増殖には30℃が最適で、
この温度だと4時間で倍増するそうです。

Dr Jennifer Loveland-Curtze氏は、
「古代の“極小微生物”が蘇生し、
特徴が細部まで明らかにされたのは、
Herminiimonas glacieiが初めてです。


非常に長い尾のような鞭毛があり、
氷の小さな割れ目を移動するのに適して、

その大きさは、
大腸菌の10分の1から50分の1の大きさしかない。

超極小微生物の生存能力が
ほかの微生物より優れているのは、

グリーンランドの氷河は
普通の微生物が生活できないほど低栄養の環境だが、

体が小さいとので、
低栄養の環境下でも、
体全体に栄養が浸透しやすく、

体が小さいとので、
氷の結晶の間に入りやすく、
氷の障害を受け難い、
と推測しています。

木星の衛星エウロパにある凍った海や火星の極冠など、
ほかの惑星の氷の中から生物が見つかるとしたら、
この超極小微生物のような生物かもしれない。

実際にそれらの惑星に生命が存在していたとしたら、
いつの日かその痕跡が氷の中から発見され、
今回のように培養することもできるかもしれない。」
と、おそらく興奮気味に語っています。

ちなみに、今回発見された超極小微生物の
人に対する病原性は無いそうです。

ペンシルベニア州立大学のChristopher House教授は、
「底の地下深くには、原始的な微生物の巨大なコロニーが存在する。

まるで単細胞のゾンビのようなこの微生物たちは
エネルギーをほとんど消費しないため、生きているというより
死んでいないと言ったほうが的確かもしれない。

だが研究者たちは、これらの種が
他の惑星に棲む生物に似ているかもしれないと考えている。
地球上でも、
こうした微生物は全生物量の
実に10%を占める可能性があるという。

基本的にこれらの微生物は、
われわれの通常の基準から考えると
実質的にはほとんど死んでいる。
代謝を行なってはいるが、ごくわずかだ。

地球外にいる微生物が
これと全く同じ微生物だとは思わないが、
同様のゆっくりとしたペースで生きている可能性はある。」
と指摘しています。

ペンシルベニア州立大学が発見した古微生物は、
食べたり動いたりはしていない。
活動は非常にゆっくりだそうです。

例えば大腸菌は30分で数が倍に増えるが、
古微生物は、倍に増えるまでに数百年、
場合によっては数千年もかかる可能性があるそうです。

ペルーの沖合の海底を掘削し、
さまざまな深度の
生物の遺伝子を抽出した結果、

深度約49mより深い場所では、
90%が古微生物だったそうです。


突然ですが、
驚異の微生物が北極の海底で発見されました。(続く)
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