ヒーローラッツ
- 2010/06/06
- 05:05
頭の良いネズミの話しを思い出しました。
それは、ヒーローラットという
アフリカン・ジャイアント・ポーチド・ラット
(サバンナアフリカオニネズミ)の話です。
大きさは約25cmから45cm位で、
平均寿命は6−8年で、
雑食ですが、ヤシの実や種は大好物だそうです。

曹洞宗の禅僧でもあるBart Weetjensさんは、

大学卒業後、デザイン系会社に勤めたのですが、
仕事について悩み約2年間引きこもったそうです。
その時、大学時代の恩師に
「目標を言葉にすること。
何がしたいのか分析することが大切。」と言われ、
学生時代に旅したアフリカを思い出し旅立ち、
そこで、地雷に苦しむ人たちを目の当たりにして、
地雷を撤去したいと強く願うようになったそうです。
その後、空港の麻薬検査で、
ネズミが使用されていたことを知り、
また、幼いころ可愛がっていたネズミを思い出し、
「APOPO」を設立したそうです。
地雷探知はこれまでイヌが主流でしたが、
費用もかかるので、タンザニアに拠点を置く
ベルギーのNGO法人「APOPO」が中心となり、
アントワープ大学とタンザニアのソコイネ農業大学が共同で、
地雷を見つけ出すようにネズミの訓練を始め、

約5年の歳月をかけ、ネズミが地雷を探知するたびに、

バナナ等のエサを与えるという訓練法で成功させたそうです。

ネズミは害獣のイメージが強いのですが、
そのイメージを払拭しました。
とても素晴らしいことだと思いました。
面白い事に、募金先が、団体ではなく、
どのネズミに寄付できるかが選べるようになっています。
厳しい訓練を乗り越え、
基準に合格したネズミたちはヒーローラッツと呼ばれます。
そのネズミたちの個性あふれる面々の活動は、
APOPOのHPで、バックグラウンド、
訓練の段階などを確認できます。
ネズミはイヌと同レベルの
約1000種類の嗅覚受容体を持ち(人間は約400種類)、
暑さに強く、繁殖も飼育も訓練も容易。
そして、何より体重が軽いので、
地雷に乗っても爆発しないのです。
訓練は9ヶ月かかり、
費用が1匹あたり6000ユーロ(約70万円)と、
犬に比べて3分の1程度のコストで済み、
輸送しやすいという利点もあります。
訓練は一匹のネズミに対して担当の訓練士がいるそうです。
200㎡の地雷原の無害化には人間2人で丸1日かかるが、
ネズミ2匹が加われば2時間で完了するそうです。
また、モロゴロの研究所では、
別のネズミが、喀痰(かくたん)の検体から、
結核の有無を見極めるための訓練を受けているそうです。
顕微鏡検査で陰性と判定されながらも、ネズミが陽性と判断し、
再検査したところ陽性だったというケースも多いそうです。
ネズミたちが協力した病院の結核検出成功率は、
40%も向上したそうです。
今後は、災害時の生存者捜索などができる
ヒーローラットを養成したいそうです。
最近、イスラエルの研究者らが、
爆薬やドラッグを検知するマウスの訓練に成功したそうです。
このマウスは空港などの検知犬のように歩かせるのではなく、
マウスが8匹ずつ入ったケージがあり、
そのケージを荷物に近づけ、薬物や爆薬を検知すると
マウスはケージ内にある小部屋に逃げ込むそうです。
そうするとアラーム音が鳴るそうです。
訓練した研究者らによると、
正確さは犬やX線装置を上回るそうです。
ドリトル(Dolittle)先生シリーズの本は愛読書で全巻読みましたが、
ドリトル先生の、Do littleは、直訳すると、
「ヤブ医者」「なまけもの」「少しだけやる」という意味だそうです。
「薬や注射、手術など、
ほとんど何もしない人間のお医者さん」と言う意味が、
込められているみたいです。
井伏鱒二氏がそのまま「ドリトル先生」と訳したという事です。
ドリトル先生は人間のお医者さんでしたが、
オウムのポリネシアから、動物語の存在を知らされ、
動物たちと話すことができるようになり
世界一の動物のお医者さんになったそうです。
余談ですが、第二次世界大戦の時、B25爆撃機で、
日本本土に最初に大々的に爆撃し、日本を敗戦に導いたのは、
ドゥリトル(Doolittle)中佐と言われています。
Do littleは、「少しだけやる」という意味なのに…。
あっちこっち雑記も時々更新しています。
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