宇宙に行った生物
- 2012/09/08
- 05:05
宇宙では毒性を高めることが分かりました。
2006年9月スペースシャトル『アトランティス』で
宇宙へ送られ地球に戻ってきたサルモネラ菌は、
通常よりも少ない投与量(4分の1程度)で
ネズミを感染させることができたそうです。
サルモネラ菌を使って
50%のネズミが死ぬまでに要した宇宙帰りの菌の量は、
地上の菌の4分の1量にとどまったそうです。
地球培養のサルモネラ菌を与えたネズミは
3週間後に40%が生存していましたが、
宇宙旅行を経たサルモネラ菌を
与えられたネズミの生存率はわずか10%。
無重力環境では細胞膜が周囲の液体から
受ける圧力が減るためだと推測されています。
なお、宇宙で培養されたサルモネラでは、
167の遺伝子の発現過程が変化したそうです。
『Public Library of Science ONE』誌で最近発表された
Nickerson氏の最新の研究においては、
サルモネラ菌が再び宇宙へ打ち上げられたが、
十分な養分で培養された場合は、
やはり非常に高い毒性を示したとのこと。
ただし、養分濃度の低い培養液に入れたサルモネラ菌では、
毒性がはるかに低くなることが確認されました。
研究に当たった微生物学者は、
この研究結果はサルモネラや他の病原菌への理解を前進させ、
新たな治療法の促進に寄与するものだと語っています。
ちなみに、宇宙に行った最初の生物はミバエとトウモロコシの種。
1947年、アメリカのV2ロケットによって打ち上げられたそうです。
この実験の目的は高高度における宇宙線被曝の
影響を調査することでした。
地球軌道を周回した初の動物は、
ソ連が1957年11月3日に打ち上げた
スプートニク2号に搭乗していた
イヌのライカ(本名:クドリャフカ=巻き毛ちゃんが、
外人には発音し難いので、
ライカ=吠える者に改名したそうです。)でした。

発射時の爆音とエンジンの振動に驚いて
脈は3倍に上昇したそうです。
宇宙船は軌道に到着したのですが、
断熱材が一部損傷したため、
数時間で船内の気温は15度から41度に上昇し、
打ち上げから5時間後、
ライカは生命反応を示さなくなったそうです。
このことは2002年まで秘密にされていて、
宇宙で1週間生きていたとされていたそうです。
1960年8月19日、スプートニク5号に乗った
イヌのストレルカ(=小さな矢)とベルカ(=リス)は、
1日以上地球軌道を周回して生還した初の動物です。

ストレルカとベルカ
ストレルカ(写真左)の子犬のプーシンカ(=ふわふわちゃん)は、
フルシチョフによってジョンFケネディの娘に贈られ、
プーシンカの子孫は現在も生存しているそうです。
プーシンカが来た時、
大統領を警護するシークレットサービスは、
探知機や爆薬など危険な物が犬の体に入っていると考え、
殺害して解剖しようとしましたが、
大統領がそれを止めたそうです。
そして、
ウォルター・リード米軍医療センターで精密検査した結果、
危険な物は無く、異常が無かったそうです。
その後、プーシンカは子犬を数匹出産しました。
大統領はその一団をまとめて、プープニクと呼んだそうです。
ガガーリンが1961年4月12日に,
人類初の宇宙飛行を成し遂げるまでに、
少なくとも10匹のイヌが周回軌道に打ち上げられたそうです。
ソ連は1966年2月22日にコスモス110号に
イヌのヴェテロク(=そよ風)とウゴリョーク(=小さな石炭)を
乗せて、帰還するまでの22日間を軌道上で過ごしたそうです。
イヌの記録としては、宇宙にいた期間では、現在でも最長記録です。
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