昔話(93)-糖尿病(33)-バンティング(23)

『バンティング』は、死ぬまで、
膵管結紮という偉大な発想こそ、
唯一の価値だと思い込んでいました。

しかし、当時、新進気鋭で、
他人の欠点を鋭く指摘し、
激しい辛口の論調で有名だった
『フランコン・ロバーツ』は、
『バンティング』たちの事を馬鹿にしていたので、

「膵管結紮によって、
蛋白分解酵素である外分泌物トリプシンから、
膵内分泌物を保護するという、
『バンティング』の仮説は誤りで、

このような反応は、
実際には起こり得ないため、結紮する必要がない。

インスリンの発見は、
誤った発想、誤った処理、
誤った解釈の実験に基づいている。

『バンティング』と『ベスト』の実験は、
結論としてトリプシンが、
蛋白分解酵素としてインスリンに、
何の影響も与えていないということを
示しているに過ぎない。

だから、彼らは
ノーベル賞をとるような業績ではない。」と

『バンティング』と『ベスト』を、
激しい論調で批判しました。

しかし、
医学界の重鎮の『ヘンリー・ハレット・デール』博士は、

「君の言っている事は、正しいかもしれない。

でも、
人を非難するのは、簡単だが、

君の研究により、
何か偉大な物が出来て、誰か救われるのか?

君の研究は、
ノーベル賞をとるような業績か?

誤った構想によって敷設されたコースから、
これに交差する正しい道へと、
つまずいたはずみに、導かれたかもしれないが、

結果的にインスリンは発見されたのだから、

その経過に誤りがあったからと言って、
非難するべきではない。」と言ったそうです。

痛い所を突かれた『フランコン・ロバーツ』は、
日頃の辛口の論調をやめ、
黙るしかありませんでした。

その後、インスリン発見に対しての批判は、
タブーになったそうです。

糖尿病は、
インスリンが発見されるまで、
血糖値を上げないように、
極端な糖質制限された食事制限しかなく、

それを守って、飢餓状態になるか、
食事制限を守れず、死んでいくしかなく、

長い間「死の病」として、
世界中で恐れられていました。

インスリンが発見された事により、

「糖尿病と共に生きる。」ということになりました。

糖尿病は不治の病で、
過去には、様々な治療法が試されてきました。(続く)
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