昔話(70)-糖尿病(11)-バンティング(1)

『フレデリック・グラント・バンティング』は、
トロント大学を卒業後、カナダのオンタリオ州ロンドンで、
整形外科医を開業していました。

しかし、
1日ではなく、1カ月の売上が4ドルだけ時もあるほど、
客が来ないので、ロイヤルゼリーの効能や、
マスタードガスの研究などをやったり、
空いた時間で、
ウエスタン・オンタリオ大学講師をしていました。

ちなみに、
マスタードガスと抗がん剤の話がありますが、
その話は、機会があったら…。

1920年10月30日の夜、
『バンティング』が、
「炭水化物代謝」というテーマの
大学の講義の準備のため、
図書館から借りた文献を読んでいた時、

ミネソタ大学の
『モーゼス・バロン』の論文に、目が留まりました。

そこには、
膵臓結石のために、
外分泌部が萎縮した症例報告と、

「動物の膵臓の外分泌管を縛り、
十二指腸から切り離しても、糖尿病にはならないので、
消化酵素とは異なるものが、糖尿病を阻止している。」
と書かれていました。

その夜、『バロン』の論文に刺激を受けて、
寝床についても、様々な考えが、脳裏を駆けめぐって、
眠れず悶々としていると、
突然、ある考えがひらめいたそうです。

「犬の膵管を結紮し、6ー8週間の間、
膵臓の消化液を分泌する細胞が萎縮し、
消化液と関係ない細胞だけになるまで、
犬を生かす。

そして、残った膵臓を取り出して、
尿糖を減少させるための内分泌物の分離を試みる!」
と、紙に書きました。

その後、朝まで興奮して眠れませんでした。

翌朝、
勤務しているウエスタン・オンタリオ大学の
主任教授に、相談しました。

すると、
「ここでは、その研究を行う設備がないが、
君の母校トロント大学の『マクラウド』教授なら、
その分野に詳しいので、
相談してみたらどうか?」と言われました。

そして、(続く)
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