藤原氏と陰陽師と天皇(32)-亀の恩返し(7)
- 2015/07/15
- 05:05
毎年、『藤原山蔭』の命日4月18日に、
御祭儀式として「山蔭流包丁式」が、
鯉を使って、奉納されているので、
誰でも見学する事が出来ます。
18日は、亀の話の始まりの、
観音様の縁日でもあります。
「包丁師」が、雅楽の調べの中、
烏帽子と直垂という装束で現われて、
大きなまな板の前に座り、
食材には、直接手を触れず、
右手に包丁、
左手に真魚箸という長い箸を持ち、

生き物の死骸を食べ物に、
変換させる清めの儀式の懸りを行います。
懸りの方法は、道具を持った両手を、決まった様式で、
空中で交互に動かし、何度も空を切ります。
そして、懸りにより、鯉が、
神や天皇に捧げる物に、清められるそうです。
清められるので、
寺で「なまもの」が、取扱出来るそうです。
そして、
清められた鯉に、素手で触らないように、
箸を使って、包丁を入れ、
頭部、胴体、尻尾に切り分け(切汰)、
それぞれ形を整えられて終了します。
その時の、包丁や箸の動かし方などは、
決められていて、水撫と言うそうです。
整え方は、
「どんな意図によって、
どのような構成にするのか」が決められていて、
その時の儀式や状況によって、
変わるそうです。
その、形は切汰図と言われ、
鯉では、36種類あり、
「洗鯉」、「竜門の鯉」、「長久の鯉」、「神前の鯉」、
「馬場の鯉」、「出陣の鯉」、「梅見の鯉」、「二唯の鯉」、
「花見の鯉」、「戦場の鯉」、「五刀之鯉」など様々な形があります。

ちなみに、「鶴の庖丁式」もあり、
宮中の清涼殿で行われ、
天皇の御前のみ行われるという事です。
その切汰図は、
「式鶴」、「真千年」、「草千年」、
「舞鶴」、「草鶴」、「鷹鶴」などがあります。
他にも、各素材に、
包丁式の名前があります。
「雁の庖丁式」では、
「式雁」、「真雁」、「初雁」、「帰雁」、
「落雁」、「雁やつし」、
「鯛の庖丁式」では、
「藻隠れの鯛」等です。
日本王朝時代より続く厳粛な儀式は、
一見の価値があります。
ちなみに、総持寺の池には、
当然…、

亀がいます。 ついでに、鯉も…。

ちなみに、亀は、
永久不変の象徴「固い甲羅」を持ち、
陸と水中を行きし、長生きなので、
古来より、現生と異界を結ぶ
不思議な力を持つ霊獣と
考えられているそうです。
そして、
千年以上生きた亀は、
吉凶を予知する能力を持つそうです。
ちなみに、
以前、「長寿と不老不死の動物たち」で、
書いたように、亀での長寿記録は、
189歳のアブラルタゾウガメです。
(非公式では、アルダブラゾウガメの
Addwaityaの250歳。)
知っている範囲で、一番長生きの亀は、
『ドリトル先生』で出てくるノアの大洪水を生き延びた、
陸ガメの『ドロンコ』です。
また、「総持寺」は、『一条天皇』、『後一条天皇』、
『白河天皇』、『鳥羽天皇』の勅願所だったそうです。
ちなみに、「総持寺」は、
大阪の寺なので、
伝統を踏まえつつ最新技術が、
導入されています。
それが、正門にある、
おみくじガチャガチャです。

そして…、
総持寺のお土産と言えば、
亀で有名なので、
当然…、

かりんとう「亀のかえし」でしょう。
機会があれば、ぜひ…。
ちなみに、
実家は、「総持寺」のそばにあるので、
大阪に帰省した時は、必ず、お参りしています。(続く)
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