昔話(37)-藤原氏と陰陽師と天皇(33)-亀の恩返し(4)

なかなか良い仏師が見つからないので、
仏様にアドバイスをもらおうと考え、
『藤原山蔭』は、
奈良の「長谷寺」に籠もり祈願を重ねました。

すると、ある夜、夢枕に、

「明日の朝、
最初に出会う者が名工なので、
自宅に招待しなさい。」との
お告げがありました。

翌朝、寺の門前で、
15才位のみすぼらしい身なりをした
童子の仏師に出会ったそうです。

『藤原山蔭』は、
幼く、あまりにも汚い恰好をしていたので、
声を掛けるのを、ためらいましたが、

仏さまの言いつけに従って、
童子に、自宅に来るよう告げて、
「長谷寺」を後にしたそうです。

しばらすると、童子が、
『藤原山蔭』の屋敷を尋ねて来ました。

『藤原山蔭』は、
本物かどうか分からなかったので、
腕試しのため、桂の木を渡して、
「観音像を彫ってみて下さい。」と言いました。

すると、
見事な十一面観音を刻んだので、
『藤原山蔭』は、感心し驚きました。

そして、
本物だと確信したので、
白檀の香木を渡し、
仏様を彫るための仏舎に案内しました。

すると、童子は、
「仏様を彫刻するのに千日かかります。
その間は、誰もこの仏舎に入らないようにして下さい。

それと、『藤原山蔭』様が、
私の食事を作って持って来て下さい。」と言ったそうです。

『藤原山蔭』は、
最初、戸惑いましたが、

この申し出に従い、
毎日、料理を作り童子に差し出したそうです。(続く)
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