藤原氏と陰陽師と天皇(27)-亀の恩返し(2)
- 2015/06/15
- 05:05
『藤原山蔭』を、甲羅に乗せて現れたそうです。

そして、
「『藤原高房』の後妻が、
自分の子供を跡継ぎにしたいので、
邪魔な先妻の子『藤原山蔭』を、
船から淀川に突き落した。」という
衝撃の事実を知ったそうです。
『藤原高房』は、何はともあれ、
『藤原山蔭』が無事に戻って来た事に感謝し、
観世音菩薩像と寺を造ることにしたそうです。
そして、
観音菩薩像を彫るのに適した香木を、
中国の唐で購入するよう
入唐使の『大神御井』に依頼しました。
ちなみに、
入唐使とは、外交使節ではなく、
香料や薬物を購入するため、
唐に派遣された下級役人だそうです。
しかし、『大神御井』が、
唐で買い求めた白檀の香木を持って、
船に乗って、日本に帰ろうとしたところ、
船荷を調べていた唐の役人が、
白檀の香木は、
国外持ち出し禁止と言ったので、
どうしょうかと思案した結果、
もしかすると、日本に流れ着くかもと思い、
「日本の藤原越前守高房に寄せる」と
香木に銘を刻んで海に流したそうです。
しかし、
その後、『藤原高房』は、
香木が手に入らぬまま、志半ばにして、
この世を去ったそうです。(続く)
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