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記事一覧

糖尿病(1)

『藤原道長』には、糖尿病の遺伝的素因があり、『藤原道長』の叔父『藤原伊尹』は、重症の糖尿病に悩まされ49歳で死亡しています。また『藤原道長』の兄『藤原道隆』も、糖尿病と酒の飲みすぎで死亡していました。ちなみに、『源頼朝』も、「飲水に依り重病。(沢山水を飲む病気)」と関白『近衛実家』の日記に書かれているので、糖尿病だったと考えられています。『織田信長』も、甘党で、水を沢山飲み、頻尿で、糖尿病神経障害に...

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糖尿病(2)

最初に、欧米で患者の尿が甘いのを知ったのは、英国国王『チャールズ2世』の主治医の『トーマス・ ウィリス』です。1674年、何を思ったか、好奇心旺盛な『ウィリス』は、患者の尿を舐めて、「患者の尿は、蜂蜜か砂糖で漬け込んだように、素晴らしく甘い。」と言っています。ただ、甘味は、糖を含んでいると考ず、硫黄のせいだと考えたそうです。ちなみに、この甘さが糖だと発見したのは、その100年後のイギリスの内科医『マ...

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糖尿病(3)-ブルンナー(1)

1673年に、スイスの解剖学者『ヨハン・コンラード ・ブルンナー(ブルンネル)』が、「膵は消化機能に重要」という見解に、反論するため、数年に渡り、数頭の犬の膵臓切除実験をしました。そして、犬は、水を多量に飲んで、多量の尿をするのを観察しましが、症状は一過性で完全に回復し、その後、3ケ月から1年生きたので、『ブルンナー』は、「膵は消化機能に必要なし」と考えました。1683年に実験成果を発表しましたが...

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糖尿病(4)-ブルンナー(2)

犬は、元気食欲も良さそうでしたが、『ブルンナー』は、実際にどうなっているかを調べたかったので、飼い主に、「人類にとって、とっても大切な実験だから、犬を提供して下さい。」と再び言いましたが、もちろん、断られました。犬は、放し飼いにされていたのですが、飼い主の家から離れませんでした。でも、『ブルンナー』は、どうしても、あきらめきれなかったので、飼い主に見つからないように、犬に優しい声で呼びかけたり、食...

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糖尿病(5)-ランゲルハンス

1869年にドイツの医学生だった『パウル・ランゲルハンス』は、教授から、「膵臓の構造を、詳しく調べる。」という研究テーマを与えられたそうです。すると、顕微鏡を使った観察に、非凡な才能を持っていたので、すぐに、9種類の細胞を発見したそうです。そして、食べ物を消化する膵液を作る細胞以外に、周辺の細胞とは異なる染まり方をする膵臓の至る所に見られ、島のように点在している、別の働きを持つ特別な細胞が、ある事...

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糖尿病(6)- ミンコフスキーとメーリング(1)

『ランゲルハンス』が、死亡した翌年の1889年に、ドイツ人の『オスカー・ ミンコフスキー』と『ヨゼフ・ フォン ・メーリング』によって、『ランゲルハンス』が、見つけた細胞の働きが、偶然に発見されました。ある時、『ミンコフスキー』と『メーリング』が、膵酵素の役割について熱く議論していたそうです。『メーリング』は、「膵酵素は、脂肪分解に必要。」と主張しました。しかし、『ミンコフスキー』は、これに反論しま...

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糖尿病(7)- ミンコフスキーとメーリング(3)

『ミンコフスキー』の上司が、糖尿病の大家『ベルナール・ノーナン』だったので、『ミンコフスキー』は、糖尿病をよく知っていました。この発見により、膵臓と糖尿病の関係が分かりました。『ミンコフスキー』は、さらに、調べていく事にしました。数頭の犬の膵臓を摘出すると、数日後から尿糖が出現し、多量の水を飲み、多量の排尿、沢山の食べ物を食べるようになりましたが、次第に痩せていって、衰弱し、最後には死亡しました。...

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糖尿病(8)- ミンコフスキーとメーリング(4)

膵臓を摘出された犬は、そこらじゅうに排尿しました。『ミンコフスキー』は、「ゆっくり観察したいのに、こんなに、落ち着きなく、尿を失敗するのは、しつけが悪いからだ。」と犬の管理者に、苦情を言ったそうです。すると、管理者は、「この犬は、今までは、こんなに沢山の尿をしなかったし、失禁もしなかった。しつけは、もちろん、しっかりしていたし、むしろ良い方でした。手術してから、おかしくなったんです。」と反論しまし...

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糖尿病(9)- ミンコフスキーとメーリング(4)

膵臓には、膵菅に分泌された膵液が、十二指腸内で作用する外分泌機能と膵臓から血液中に分泌された物質が、全身に作用する内分泌機能の2つの働きがあります。 外分泌で出される膵液には、トリプシン、キモトリプシン、アミラーゼ、リパーゼなどの消化酵素が、含まれています。トリプシンとキモトリプシンは、蛋白質を、アミラーゼはでんぷんを、リパーゼは脂肪をそれぞれ分解し、食物を小腸で吸収しやすい形に変えています。だか...

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糖尿病(10)

1893年にフランスの解剖学者『グスタブ=エデュアルド・ラゲス』が、『パウル・ランゲルハンス』が、発見した細胞から何らかの物質が、分泌されていると提唱し、発見者の名を残して「ランゲルハンス島(膵島)」と命名したそうです。1901年、アメリカの病理学者『ユージン・オピー』が、糖尿病患者の膵臓がランゲルハンス島が、破壊されている事を発見しました。 ただ、ランゲルハンス島の作用機序や何を分泌しているのかに...

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糖尿病(11)-バンティング(1)

『フレデリック・グラント・バンティング』は、トロント大学を卒業後、カナダのオンタリオ州ロンドンで、整形外科医を開業していました。しかし、1日ではなく、1カ月の売上が4ドルだけ時もあるほど、客が来ないので、ロイヤルゼリーの効能や、マスタードガスの研究などをやったり、空いた時間で、ウエスタン・オンタリオ大学講師をしていました。ちなみに、マスタードガスと抗がん剤の話がありますが、その話は、機会があったら...

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糖尿病(12)-バンティング(2)

1921年、『バンティング』は、トロント大学の生理学教授で、炭水化物の権威として世界的に有名な『ジョン・ジェームズ・リチャード・マクラウド』に、緊張しながら、実験をさせてもらえないかと頼んだそうです。しかし、『マクラウド』は、「そのような研究は、何人もの学者がやってきた。研究経験の乏しい君に、できるわけがない。」と取り合ってくれませんでした。中国の黄巾の乱の鎮圧の際、活躍して、ある程度、名を知られ...

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糖尿病(13)-バンティング(3)

『マクラウド』は、成績優秀な2人の学生の『チャールズ・ハーバート・ベスト』と『クラーク・ノーブル』を呼んで、「この研究は、失敗に終わるけど、この方法が、失敗するという事を確かめる必要性はある。少なくとも外科技術を学ぶことは出来る。」と言ったそうです。夏休みを潰されることになるので、2人とも気が進みませんでした。そのため、コインを投げて、助手を決める事になりました。そして、コインを投げて、負けた『ベ...

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糖尿病(14)-バンティング(4)

『バンティング』は、犬の手術をしたことがなかったので、出血多量、麻酔過量、感染症などで、借りていた実験用の犬10頭を、死なせたそうです。そのため、街へ犬を買いに行ったそうです。結局、14頭が死亡したそうです。それでも、7頭の犬に膵部分切除を行う事が出来ました。手術中そのうちの2頭だけですが、膵管を結紮した後、外分泌物を産生する細胞が、破壊され、膵臓が変性したと考えられる状態を、作り出す事に成功しま...

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糖尿病(15)-バンティング(5)

そして、一週間後、変性した犬の膵臓を摘出し、そこから抽出した物を、糖尿病の犬に注射すると、血糖値が、200mg/dlから、110mg/dlに低下したそうです。左:『ベスト』と右:『バンティング』そして、膵臓を摘出された後、インシュリン投与で、約3ケ月生きた犬の「No.33 愛称『マージョリー』」。その後、2頭の犬でも同様の降下を認めました。しかし、抽出したその物質は、混雑物が多く、人に投与するには、純...

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糖尿病(16)-バンティング(6)

子供の頃より、『バンティング』は、みんなを救う牧師になるのが夢でした。ある時、『バンティング』の幼なじみの『ジェーン』が、糖尿病に罹りました。当時、画期的な治療法がなかったので、次第に痩せていき、弱っていきました。『バンティング』は、神様に助かるように、心から毎日祈っていました。しかし、『ジェーン』は、ケトアシドーシス昏睡となり、数ヶ月で、死亡しました。そのため、ものすごく仲の良かった『バンティン...

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糖尿病(17)-バンティング(7)

大学を辞め、医院も閉鎖し、退路を断った『バンティング』は、「今後さらに研究を続けると必ず成果が、出ると見通しがつきました。私の母校でもあるトロント大学で、研究を続けたいのですが、この研究を認めないなら、他で、この続きを行います。」と言って『マクラウド』に、必要経費を要求したそうです。すると、『マクラウド』は、「私に指図するな。嫌ならどこかに行ってもいいが、トロント大学での成果は、君の物ではない、私...

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糖尿病(18)-バンティング(8)

整形外科医の『バンティング』と医学生の『ベスト』による実験は、荒削りな部分も多く、学会で発表するには不十分なものでした。最初、懐疑的だった『マクラウド』は、もともと糖尿病の研究していたので、インスリンの価値、その発見の重大さは、充分な程、把握していたので、結果を見てから、態度を一変させ、研究成果を認め、自分も研究に参加すると言って、研究の体裁を整え、インスリン生産のための研究チームを、編成する事に...

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糖尿病(19)-バンティング(9)

『バンティング』は、アメリカ生理学会で、今までの研究成果を、発表する事になりました。でも、初めての体験だったので緊張して、カチカチになっていました。自分も、動物園・水族館の全国や地方の研究発表会で、何回も発表や座長をした事がありますが、とても緊張したので、その気持ちが、よく分かります。ちなみに、現在は、休診日や夜間など時間外に診察する事もあり、また診察時間を過ぎても診察している事もあり、とても忙し...

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糖尿病(20)-バンティング(10)

焦った『バンティング』は、『ベスト』と2人で、最初に人体投与ができるように、正式な手続きを踏んで、大学に申し入れました。そしてついに、『バンティング』と『ベスト』が抽出したインスリンを、1922年1月、14歳だったⅠ型糖尿病患者で、糖尿病性昏睡で、死直前状態の『レナード・トンプン』に、人類史上、世界で初めて、インスリンを注射しました。しかし、精製方法が未熟であったため、注射の翌日、注射した腕が、ひど...

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糖尿病(21)-バンティング(11)

『バンティング』と『ベスト』は、『コリップ』に抽出法を聞いたそうです。すると、『コリップ』は、『バンティング』と『ベスト』に向かって、「君たちが、私に何の相談も無く、勝手にインシュリンを抽出して、臨床実験したのは、協定違反だ。『マクラウド』とも話したが、君たちは、信用できないので、抽出法を、教えない事にした。インスリン発見の権利を、君たちに認める代わりに、君たちのグループから離れて、自分の名前で、...

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糖尿病(22)-バンティング(12)

その後、『ベスト』は、大量の需要にも応えられるように、抽出技術を工夫しましたが、うまくいきませんでした。すると、米国の国際的な製薬会社の、「イーライリリー社」から、支援の申し出がありました。その後、「イーライリリー社」で、非常に純粋なインスリンの生産に成功しました。ちなみに、『バンティング』と『ベスト』は、その抽出物に、島細胞を意味する英語に因んで「アイレチン」と命名していましたが、『マクラウド』...

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糖尿病(23)-バンティング(13)

1923年『バンティング』と『マクラウド』は、カナダ初のノーベル賞(生理学・医学賞)に選ばれました。しかし、『バンティング』は、『マクラウド』も受賞すると聞いた時、「『マクラウド』の頭から出て来たアイデアが一つでもあったか?一度でも自分で手を汚して、実験したことがあったか?」と言ったそうです。『バンティング』は、『ベスト』こそ受賞にふさわしいとして、賞金の半額を分け与えると発表したそうです。その2...

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糖尿病(24)-バンティング(14)

『バンティング』たちを、特に激しく抗議したのは、ルーマニアの『ニコラス・コンスタンチン.・パウレスコ』です。『パウレスコ』『バンティング』たちの報告は、自分の報告内容を引用したもので、自分こそがインスリンの発見者だと言いました。『パウレスコ』は、ルーマニアのブカレストの大学の生理学の教授をしていました。1916年に膵エキスの抽出実験により、血糖降下効果に気付き始めたそうです。しかし、ブカレストが戦...

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糖尿病(25)-バンティング(15)

『バンティング』は、周囲の人々から、インスリンの特許を、取得するように言われていましたが、「医学に関わる発見や発明は、特許とするべきでない。ましてや医者は、特許に係るべきではない。」と言って、断っていました。しかし、トロント大学の説得により、特許取得に反対していた 『バンティング』は、「自分の名前を出さないという事、この特許は、他人に特許を先に取らせないようにする以外は、目的にしない。抽出法の詳細...

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糖尿病(26)-バンティング(16)

『チャールズ・E・ヒューズ』の娘『エリザベス・ヒューズ』が、1918年に、1型糖尿病を発症したそうです。当時、糖尿病の一般的な治療法である飢餓療法で治療していましたが、状態は悪くなる一方でした。そして、『エリザベス・ヒューズ』が、糖尿病の最先端の治療薬が出来たと聞いたので、トロントにやって来ました。そして、製品化したインスリンを、世界で最初に注射した糖尿病患者になりました。あと3日で15歳になると...

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糖尿病(27)-バンティング(17)

その後、 『バンティング』は、アメリカからの好条件の誘いを、蹴ってカナダに留まりました。インスリンの特許料による、利益は膨大なものでしたが、『バンティング』は、元々、特許取得に反対していたし、特許から生まれる利益に対して、全く関心がありませんでした。そのため、主要人物の『バンティング』が、「特許料を、1ドルで大学に譲る。」と言ったので、『ベスト』、『コリップ』の発明者3名は、特許料として、大学から、...

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糖尿病(28)-バンティング(18)

『バンティング』は、絶大な権力を握るようになりました。そして、『マクラウド』に対して、「利己的で、いつも他人のアイデアを盗んでいる。」、「言葉は下痢のように出てくるが、アイデアと結果は便秘状態。」などなど…次第に『マクラウド』への敵意を現わにし、批判するようになりました。その結果、1928年『マクラウド』は、長年勤務していたトロント大学を、退職せざるを得ない状況に追い込まれました。『バンティング』...

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糖尿病(29)-バンティング(19)

人々は、『バンティング』が、次の医学上の大発見をすると期待していました。そのため、トロント大学構内に、「バンティング&ベスト医学研究所」が、創設されました。でも、『バンティング』は、自分の助手と考えている『ベスト』と自分の名が、対等に扱われている事を、快く思わなかったそうです。研究所には、『バンティング』の名声を慕って、多くの学生たちや世界各国の研究者たちが、訪れました。左:『バンティング』  右...

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糖尿病(30)-バンティング(20)

『バンティング』は、突然のひらめきで栄光の座についいたので、研究者として受けるべき研修や経験がなかったので、何の準備もせず、行き当たりばったりでした。そして、「研究に必要な事は、訓練ではなくアイデアだ!」と言って、無計画に好き放題をしていました。そして、1923年に『バンティング』は、「3年前に婚約し、2年前に結婚したインスリンとは、ここに離婚する。」と宣言しました。そして、全ての細菌を殺す「アン...

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糖尿病(31)-バンティング(21)

コイン投げでインスリン発見者の光栄に浴し、「ラッキーガイ」と呼ばれた『ベスト』は、恩師『マクラウド』と『バンティング』の板挟みに悩み、2人と関係ないイギリスのロンドン大学に留学しました。その後、『マクラウド』の後任として、トロント大学教授となったそうです。すると、『バンティング』卿は、『ベスト』の台頭を警戒し、「昔は、自分の助手だったし、インスリン発見の名誉も与えノーベル賞の賞金も折半し、色々手助...

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糖尿病(32)-バンティング(22)

「ベストサイエンティスト」と呼ばれた『コリップ』は、その後、アルバータ大学教授に復帰し、マギル大学教授、ウエスタン・オンタリオ大学学部長となり、1957年までカナダ医学研究機関の議長を務めたそうです。そして、副甲状腺ホルモン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンを単離し、ホルモン研究の権威となりました。しかし、『コリップ』も、インスリンにまつわるエピソードを、語りたがらなかったそ...

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糖尿病(33)-バンティング(23)

2013年、カナダ政府は、インスリン発見に至る研究とその関連資料を、ユネスコ記憶遺産に申請して、登録されました。『バンティング』が、インスリンのアイディアを思いついた家は、今では「Banting House」としてカナダの史跡に指定され、カナダ糖尿病協会の本部としても使われています。家の前には、『バンティング』像が建っています。ちなみに、「Banting House」管理人の『グラント・モルトマン』は、 「糖尿病に対して、...

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糖尿病(34)-バンティング(24)

『バンティング』は、死ぬまで、膵管結紮という偉大な発想こそ、唯一の価値だと思い込んでいました。しかし、当時、新進気鋭で、他人の欠点を鋭く指摘し、激しい辛口の論調で有名だった『フランコン・ロバーツ』は、『バンティング』たちの事を馬鹿にしていたので、「膵管結紮によって、蛋白分解酵素である外分泌物トリプシンから、膵内分泌物を保護するという、『バンティング』の仮説は誤りで、このような反応は、実際には起こり...

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糖尿病(35)-治療の歴史(1)

古代エジプトの糖尿病に関して、「エーベルス(エベルス)・パピルス」に書かれた処方は、「血玉髄」、「赤い穀類」、「キャロブ」、「糸杉」を使用すると書かれてます。「血玉髄」は、微細な石英の結晶が集まってできた鉱物で、碧玉の一種です。「赤い穀類」は、赤味を帯びた小麦粉と言われています。「キャロブ」(和名:イナゴマメ)は、血糖値改善作用や肝機能の改善効果があると言われています。果肉自体にチョコレート風味の...

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糖尿病(36)-治療の歴史(2)

2世紀頃のシリアの『アルキゲネス』は、麻薬を勧めました。当時、糖尿病は腎の病気と考えられていたので、アヘンなどの麻薬には、腎の消炎作用があるとされ、20世紀の初頭まで、アメリカの内科学の教科書にも、糖尿病の一治療法として、麻薬のアヘンも推奨されていました。麻薬には、血糖を下げる力はありませんが、そのの作用で食欲が低下し、食べなくなることで、血糖が改善していたと考えられています。西洋人で初めて尿を舐...

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糖尿病(37)-治療の歴史(3)

18世紀のスコットランド軍医『ジョン・ ロロ』は外科医ですが、糖尿病の治療で有名です。『ロロ』は、『ドブソン』の血液も甘いという報告で、「高血糖と尿糖」が、解決すべき問題であると考えました。『ロロ』は、「糖尿病は胃の病気であり、糖は、胃で野菜から作られる。」と考えたそうです。そのため、「野菜をなくす。低炭水化物食にする。」という食事療法を考えました。そして、最初にその治療をしたのは、1777年、エ...

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糖尿病(38)-治療の歴史(4)

インスリンが発見される前の日本の大学病院では、糖尿病の人の腹部に、大量のX線(レントゲン線)を照射したり、アヘンや毒物の亜ヒ酸を飲ませたりと、民間療法的なレベルで、むしろ、体に害を及ぼすような危険な治療でした。そのため、当時、日本の糖尿病の権威で、糖尿病を検査するために、米飯270gと鶏卵2個を与えて、その後、血糖値を測定し、糖尿病を評価するという「坂口試験食」を考案した、東京大学の『坂口康蔵』が...

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糖尿病(39)-治療の歴史(5)

日本人、中国人などアジア人は、欧米人とは比較にならないほど糖尿病になりやすい人種と言われています。その理由は、アジア人は、膵臓のインスリン分泌力が弱いのが特徴で、そこに、食生活の西洋化、運動不足が加わったのが、原因ではないかと考えられているそうです。その患者数は、中国では1億人を超え、世界第1位、インドが第2位、アメリカが3位だそうです。日本は、9位だそうです。動物も人間同様に、糖尿病になります。...

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糖尿病(40)-治療の歴史(6)

糖尿病には、2つのタイプがあります。糖分を体の細胞に取り込むのを助けるインスリンが不足し、体がガリガリにやせていく「インスリン依存性(Ⅰ型)」タイプ。日本人では、Ⅰ型は少ないのですが、欧米人や犬では、ほとんどがⅠ型だそうです。これは、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞が、何らかの理由によって破壊されて、インスリンが不足するので、高血糖となります。その原因は、糖尿病感受性遺伝子が増悪因子として、関係していま...

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糖尿病(41)-治療の歴史(7)

もう一つのタイプは、ムクムクと太って、健康そうに見えますが、何かしらの原因で、インスリン分泌の低下とインスリンに対する細胞の感受性の低下により、細胞が糖分を活用できない、「インスリン非依存性(Ⅱ型)」があります。アメリカでは、「非依存性」タイプを、一見、健康そうに見える位、外見が太っていて幸せに見える事と治る可能性がある事から、「ハッピー糖尿病」と呼ぶそうです。猫では、Ⅱ型の「ハッピー糖尿病」がいる...

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糖尿病(42)-治療の歴史(8)

欧米人では、インスリンに対する感受性低下が多く、太っている場合が多いです。日本人では、膵臓のインスリン分泌能低下が主な原因なので、痩せている場合が多いです。適切な食事療法や運動などが大切です。ちなみに、過度のストレスは、症状悪化の要因です。人間も動物も、ストレスがかかると、副腎から、ストレスに対抗して、体を活性化するホルモンと体を守るホルモンが分泌されます。これらのホルモンは、共に血糖値を上げる働...

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糖尿病(42)-治療の歴史(9)

人では、食事療法、運動療法で血糖値が正常化しない、あるいは、最初から血糖値が高くて、これらの治療だけでは不十分な場合は、経口血糖降下薬あるいは、GLP-1受容体作動薬を使用します。猫では、経口血糖降下薬で改善しない場合、インスリン注射をします。ただし、経口血糖降下剤ではなく、最初から、インスリン注射を行う事も多いです。何故なら、動物病院で、診察する時は、すでに重度の糖尿病である事が多いからです。糖尿病...

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糖尿病(43)-治療の歴史(10)-レビー小体と龍神(1)

2015年に栃木で、ある7歳の男の子が、Ⅰ型糖尿病になりました。現在の医学では、Ⅰ型糖尿病は、インスリン注射が必要です。しかし、注射のたびに痛みに耐えられず、男の子は泣き叫んだそうです。そして、その男の子が、クリスマスの願い事で、「サンタさん、僕の病気を治して。」と書いたそうです。それを見て、両親は涙したそうです。そして、両親は、インスリン注射をこれからも、一生ずっとやるのは、かわいそうと思いました...

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糖尿病(44)-治療の歴史(11)-レビー小体と龍神(2)

そして、『近藤弘治』は、男の子をしばらく見て、何の根拠があるのか知りませんが、「腹の中に死神がいるから、インスリン注射は、痛いだけで、意味が無いので、やめなさい。信仰心を強く持つ事。」と言ったそうです。そして、体の周囲に何本ものろうそくを立て、「悪霊退散!」と念仏を唱え続けたそうです。そして、持ってきた「龍神水」を飲ませ、栄養をつけるという名目で、大量のハンバーガーを食べさせたそうです。そして、注...

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糖尿病(46)-治療の歴史(12)-レビー小体と龍神(3)

予想通り、男の子は、糖尿病の悪化で、糖尿病性ケトアシドーシスとなり、意識不明になり病院に緊急搬送されましたが、翌日、死亡したそうです。犬猫も、糖尿病性ケトアシドーシスで、運ばれてくる子がいますが、助かる場合もありますが、死亡する事も多いです。『近藤弘治』は、警察の取り調べに、「『龍神』である私が、信じている事を行っただけで、患者が死んだのは、信仰心が足りないからだ。」と本気で、容疑を否認しているそ...

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糖尿病(47)-治療の歴史(13)-レビー小体と龍神(4)

『龍神』により、糖尿病を治療しようとした『近藤弘治』は、とても生々しい幻視や妄想がみえると言われている、レビー小体型認知症かもしれません。レビー小体型認知症は、日本では、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症と並び三大認知症と呼ばれ、男性に多いそうです。レビー小体型認知症は、後頭葉に、病変が起こる為、主に視覚、そして、聴覚にも異常が起こり、実際にはいない人や動物や物体や亡霊や生首や妖怪、妖精、龍な...

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糖尿病(48)-治療の歴史(14)

インスリン治療により昏睡をまぬがれても、罹病期間が長くなると網膜症、腎症、動脈硬化症が高頻度に現れてくる事が、明らかとなり、糖尿病治療の焦点は、昏睡との闘いから慢性合併症との闘いになりました。糖尿病の治療は、血糖値のコントロールが大切です。治療方法は、薬だけでなく、食事の影響を受けるので、食事管理が出来れば、投与するインスリンの量を、減らす事も可能です。糖尿病の治療薬には、インスリン注射や猫では内...

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糖尿病(49)-治療の歴史(15)

ブタの十二指腸粘膜抽出物の液体を、糖尿病患者に投与すると血糖低下作用が、あることが発見され、さらに、調べていくと、食事をすると小腸が刺激されて、消化管ホルモンが分泌される事が分かりました。その、消化管ホルモンの中には、膵臓のβ細胞を刺激して、インスリンの分泌を、増加させる働きを持つものがある事も分かりました。これらのホルモンを総称して、「インクレチン」と呼んでいます。「インクレチン」は、「インスリ...

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糖尿病(50)-治療の歴史(16)

2014年、ハーバード大幹細胞研究所の『ダグラス・メルトン』教授らは、様々な細胞に分化する能力をもつ幹細胞に着目し、マウスで、iPS細胞やES細胞から、β細胞を作成し、大量に培養するのに成功しました。そして、糖尿病のマウスに、培養したβ細胞を移植すると、すぐにインスリン分泌を開始し、174日にわたり機能し、血糖値を正常範囲に維持し、高血糖の症状が改善したそうです。 ちなみに、『ダグラス・メルトン』教授...

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プロフィール

ムーミン

Author:ムーミン
生まれは、福岡、
育ちは、大阪、
現在、秋田市で、
動物病院を開院。

長年、
水族館、動物園で、
獣医師として勤務していました。

短期間ですが、
犬猫行政、
食品衛生業務も
しました。

その後、
長年、
東北、沖縄の
動物病院で勤務しました。

短期間ですが、
オーストラリアなど
海外の複数の動物園や水族館で、
研修した事があります。
詳しくは、
別のブログ「あっちこっち雑記」で。

祖先は、醍醐源氏の末裔で、
福岡県八女市黒木の
猫尾城の城主を
していました。
詳しくは動物病院HPで。

学生時代、
生物学と歴史は好きでした。

高校時代、
筆記試験の時は、
事前に、関連事項まで詳しく調べて、

特に歴史の時は、
現地調査までする事があったので、

関連事項まで、詳細に書くと、

テスト用紙の回答欄のスペースでは、

ものすごく不足したので、

裏まで書いても不足した時には、

2枚目の白紙をもらい、
ぎりぎりまで書いていました。

そのため、高校の時は、
歴史や生物のテスト用紙が配られる時、
あらかじめ、
白紙が、2枚配られるようになりました。

先祖が笛が得意だったのと、
子供の頃、
ピアノを習っていたので、
音楽が好きです。

水族館、動物園勤務時代、
野生動物は、
殺気を感じると、
逃げるので、
殺気を感じさせない為、
歌いながら、
治療していたので、
歌が得意になりました。

尚、話し言葉や細かい所などは、
意訳の場合もあります。

リンクはフリーです。

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